サーマルスコープの取り扱いを始めました
あまり馴染みがないと思いますが、サーマルスコープの取り扱いを開始しました。
「サーマルスコープなんて知らない...」というあなた、これを使うと、鳥見の常識が変わるかもしれませんよ (๑•̀ •́)و✧
まずは、サーマルスコープがどんなものなのか説明しないといけないですよね。
なんとなく、肉眼では見えない暗闇を全体的に明るく映す暗視スコープをイメージするかもしれませんが、サーマルスコープとは、生き物が発する赤外線を検知し、熱画像として表示するサーマルカメラ搭載のスコープ(単眼鏡)のことなんです。
周辺との温度差で、生き物を浮かび上がらせるように画像を表示しますので、夜間だけでなく日中も同じように使用できます。
実際に覗いて見える画像はこんな感じ...。
シカの体温が周囲の地面や気温よりも高いので、シカの姿が浮かび上がるように見えますね。
シカも体と角では温度が異なるようで、色合いが異なって見えます。
このような画像が、夜間でも日中でも表示されるのです。
(もちろん、夜間と日中では周辺の温度が異なるため、まったく同じに表示されるわけではありません)
実は先日、鳥仲間と沖縄本島に行った時に試してみたのですが、一緒にいた仲間もサーマルスコープの威力に驚きました。
操作に慣れていなかったのでピントが手前に合ってしまっていますが、道路わきで寝ているヤンバルクイナを見つけた時の画像です。
ぐっすり寝ていて嘴を背中に入れているので、ずんぐりした胴体や脚しか映っていませんが、ヤンバルクイナとわかりました。
繰り返しますが、はじめて使ったときでピントもあっていないので、本来はもう少しきれいに撮れるはずです。
(ピントの合っている手前の葉はきれいでしょ!)
「サーマルスコープも結構使えるのかな..」と感じつつさらに歩き始めると、小さな個体を次々に発見。
これが驚くことに、エゾビタキやコサメビタキ、メジロ、ムシクイ類などの小鳥だったんです。
残念ながら画像には残せませんでしたが、本当に驚きました。
そして一番うれしかったのが、樹上にいたケナガネズミが見つかったこと。
音や声が聞こえたわけではなく、サーマルスコープで道路周辺を覗いていた仲間が「やや大きめの哺乳類がいる」というので見つかったのですが、このスコープがなければ絶対に見つかりませんでした。
私自身、沖縄本島には50回以上行っていますが、ここで見られたのは初めてなんです。
オリジナルの動画では動きもわかるのですが、静止画に切り出してみました。
言い忘れていましたが、対象の生き物は赤く照らしたり白く照らしたり、いろいろなモードが選べて試したので、ヤンバルクイナと見え方が異なっています。
こんな感じで、30分くらいホテル周辺を散歩してみようと思って散策していたのですが、次々に生き物が見つかるので2時間を超えてしまい、後ろ髪を引かれる思いでホテルに戻りました。
とにかく、一緒に行った仲間は大興奮でしたー!
「鳥見の常識が変わる」というのも、けっして大げさでないのがお分かりいただけたでしょうかね。
今回取り扱いを始めたのは HIKMICRO(ハイクマイクロ)というメーカーのサーマルスコープですが、輸入代理店にも在庫がないため、完全お取り寄せ対応となります。
今回のブログでは、簡単にサーマルスコープのシリーズを紹介します。
サーマルスコープを鳥見に使うだけなら、スタンダードモデル LYNX 2.0 シリーズ あたりが性能的も価格も手ごろでよいでしょうか。
静止画や動画の解像度を上げたいなら、センサー解像度の高い FALCON シリーズ のFQあたり、レンジファインダーなどの機能も欲しいなら CONDOR LRF シリーズ といったところでしょうかね。
まずは使ってみたいという方は、求めやすい価格の LYNX-S シリーズ から始めましょう。
少し嵩張りますが双眼タイプで両目で見やすく、サーマルスコープ、デジタルナイトビジョンスコープ、レーザーレンジファインダ―まで搭載されたオールインワンの サーマル双眼スコープ HABROK シリーズ という選択肢もあります。
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・CONDOR LRF シリーズ
新世代サーマルセンサーカメラだけでなく、対象物までの距離が測れるレンジファインダー(距離計)も搭載された最上位機種シリーズ。
・FALCON シリーズ
優れた温度分解能の高解像度サーマルセンサーを搭載した、使いやすさと堅牢性も備えたプロ仕様の上位シリーズ。
新世代サーマルセンサー採用のスタンダードモデル。
・LYNX-S シリーズ
改良が重ねられ、基本性能もアップしているエントリーモデル。
サーマルスコープだけでなく、デジタルナイトビジョンスコープ、レーザーレンジファインダ―まで搭載された、双眼タイプのオールインワン・サーマルスコープです。
各機種の仕様比較表
だれもが使い慣れていない機材ですから、いろいろなシチュエーションで使用してみて、またブログで紹介しますね。
こうした難しそうな機材は、専門店のホビーズワールドにご相談ください。
正直なところ、扱いを開始したばかりで分からないこともあると思いますが、わからないことは輸入代理店のサーマル担当者に確認してお答えします。
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