その実力はモンスター級! コンパクトスコープ・コーワ TSN-55 PROMINAR シリーズ徹底検証(② フィールド検証編)
さあ、仕様などの基礎的な知識は前編で得られたと思いますので、次はいよいよフィールドで比較してみましょう。
<視野の広さ>
前回もお話ししましたが、私はTSN-554を所有しており、いまでも遠征などに持参して便利に使っています。
TSN-554のレンズクオリティには満足しているものの、「欲を言えばもう少し視野げ広ければな...」というささやかな願望がありました。
今回登場したTSN-55S は視野が広がったと言われていましたが、正直なところ、そこまで大きく期待していませんでした。
でも、実際に覗いて比較してみると、かなり驚きましたね... (((;°Д°;))))
写真のように2台を並べて設置し、倍率をTSN-55S 最小の17倍に揃えて視野の広さを比べてみると...
「えっ、こんなに違うの!?」というのが正直な感想で、TSN-554の接眼レンズ倍率設定を間違えたのかと思い、何度も確認してしまいました。
(写真をクリックすると、もう少しきれいに見えます)
なんとか画像で見てもらいたいと思い、アダプターを付けてスマスコで撮ろうとしたら、アダプターを付けると外側がけられ、視野すべてが写らないことがわかりました。
そこで、揺れる手持ちでレンズから少し離し、肉眼で見たのと同じ視野が表現できるように写してみました。
(手持ちなので中心位置が少しずれたりしています)
上下は少し切れていますが、この視野の違いを比べてみてください。
TSN-554では左手前の杭の上部がかろうじて写っているだけなのに、TSN-55S では杭の上部まではっきり写っています。
同様に上部では、TSN-55S では、ヨシ原の上の木々もたくさん写っています。
さらに左右の視野を見ても、ずいぶん違うのがわかりますよね。
これ、自分的にはかなりの衝撃なんですけど、皆さんはどう思いますか???
いずれにしても、まずは、TSN-55S の視野の広さには大満足です。
もちろん視野が広いだけでなく、画面の隅々まではっきり見えていましたよ。
<画質>
視野の広さでは予想外のカウンターパンチを貰ったので、画質の違いは慎重に比べてみました。
TSN-554の透明度の高さには満足していましたが、比べるとやはり違いがありますね。
接眼レンズの倍率を30倍くらいに揃え、カワウを撮影してみました。
写真ではわかりにくいと思いますが、TSN-55S のスマスコ画像の方がクリアです。
(鳥よりも数字のあたりを比べると、鮮明度の違いが分かると思います)
肉眼での観察でも同様で、同じ倍率で比較すると、TSN-55S の方が明るく透明感も高い印象でした。
それは遠方など、条件が厳しくなるほど顕著な違いを感じましたね。
情報では、TSN-55S の接眼レンズには、TSN-554にはなかったXDレンズが2枚搭載されているそうです。
また、対物レンズのコーティングも透過率の高い新設計のものとされているので、このあたりの効果がしっかりでているのでしょうね。
(写真をクリックすると、もう少しきれいに見えます)
TSN-55Sでスマスコ撮影
(写真をクリックすると、もう少しきれいに見えます)
TSN-554でスマスコ撮影
<操作性>
基本的な構造は同じなので、大きな違いはないと思います。
TSN-55S もTSN-554もデュアルフォーカスシステムを採用しており、回転率の異なる2つのリング(ダイヤル?)を目的に応じて使い分けます。
具体的には、すばやく大まかに合わせたいときと細かく精彩に合わせたいときで使い分けるのですが、フォーカスリングは軽すぎず重すぎず、短時間でスムーズに操作できました。
鏡筒のドラム式も扱いやすいですが、デュアルフォーカスシステムは観察のみならず、精彩にピントを合わせたい撮影用途での使用にも便利な機能だと思います。
<まとめ>
今回はモンスター級の高品位スコープのお試しなので、わざわざ真夏の炎天下で、さらに遠くまで見通せるという”悪条件”の環境を選びました。
しかし、高温やかげろうの影響もわずかしか感じられず、予想を上回る検証結果に驚かされました。
正直なところ、TSN-554との価格差ほど性能の違いはなく、買い替えの可能性はないだろうと思ってましたが、TSN-554ユーザーとしては頭の痛いことになってきましたよ...∑( ◦д⊙)‼
何も知らずに覗いてみれば、たしかによく見えるのに驚くと思います。
でも従来機と比較すると、進化の度合いが予想以上に大きいことに驚かされました。
TSN-55S (55Aも含めて)は間違いなく、モンスター級の実力を持つコンパクトスコープでした。
スコープはできるだけコンパクトなもの、観察だけでなくスマスコなどの撮影もやりたい..という方には、ぜひ一度、試してみて頂きたいと思います。
またホビーズでも、そうした場を作ろうと思います。
もちろん店頭では実機を覗いてご覧いただけますので、お時間のある方は、どうぞゆっくり時間をとってお越しください。
炎天下でモノがにじむような悪条件で試してみると、その性能の高さを感じられるかもしれません。
こうなってくると、スワロのSTC/ATCとの違いも気になってくると思いますので、そのあたりの比較もやっていこうと思いま~す。
あ~っ、タカの渡りで使ってみたい!
・TSN-55S(直視型) スコープ 価格 319,000円(税込)
・TSN-55A(傾斜型) スコープ 価格 319,000円(税込)
※ TSN-554 スコープ ホビーズ特価 181,280円(税込)
TSN-554は、2024年8月31日までのコーワプレゼントフェアの対象アイテムとなっており、お得にお求めいただけます。
進化型のTSN-55Sが登場しましたが、基本性能やコスパでみれば、まだまだ現役で活躍してくれしますよ。
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