論文集 Strix（ストリクス） Vol.39（2023年発行） 入荷しました！

日本野鳥の会から毎年発行されている論文集「Strix」の最新刊『Strix Vol.39(2023年発行)』が入荷しました～。

Strix（ストリクス）は、日本野鳥の会が1982年から発行している論文集です。

プロ、アマチュアを問わず気軽に自分の観察記録を投稿できる“敷居の低さ”も魅力で、鳥類の生態、探鳥会の記録、支部による調査研究活動、繁殖や飛来、行動などの個人による観察記録、また野鳥保護活動の事例紹介などが幅広く掲載されています。

3年の休刊を経て27号からは表紙カラーを一新。編集長の立教大学　上田恵介氏、副編集長の三上かつら氏の協力により発刊されています。

そんなStrixの最新刊 Vol.39 はこのような内容です。

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【原著論文】
木曽谷のクマタカ―23年間の観察：松原秀幸
和歌山県の河川中流域に生息するイソヒヨドリMonticola solitariusの食性：上出貴士
玉川上水の杉並区に敷設された大型道路が鳥類群集に与えた影響：大塚惠子・鈴木浩克・高槻成紀
北海道におけるノビタキの繁殖期の分布：藤巻裕蔵
北海道渡島半島西部の鳥類１．落葉広葉樹林における繁殖期の鳥類相：玉田克巳

【短報】
宮城県におけるクロサギEgretta sacraの繁殖初記録：佐藤賢二・鈴木卓也
九州地方におけるコムシクイPhylloscopus borealisの渡り時期：黒田治男・渋田朗・林田博・吉谷将史・所崎聡・加藤銀次
東京都におけるクマタカの繁殖成功率：山口孝・御手洗望
宍道湖に渡来したトモエガモ個体群の採餌場所と糞分析：佐藤仁志・西海功・樋口亜紀・野津登美子・池淵康夫・伊藤勉・梅田由美子・関谷哲夫・福岡章・森下拓也
宮城県におけるヤドリギツグミTurdus viscivorusの初確認：荒井颯太・池田泰宏・宮本竜也・田谷昌仁
徳島県におけるオオムシクイの秋期の渡り：籠島恵介
滋賀県立大学キャンパスにおける造成直後の2003 年から2014 年にかけての鳥類相の変化：薮内喜人・大見智之
秋に九州西部を南下するサシバ：井上賢三郎・矢次智浩・松下彩二
青森県八戸市弁天島におけるウミネコの繁殖状況と今後の保護：成田章・富田直樹
カンムリウミスズメSynthliboramphus wumizusume繁殖地としての伊豆諸島恩馳島の重要性：田尻浩伸・手嶋洋子・山本裕
鳥取県におけるオオチドリCharadrius veredusの初記録：市原晨太郎・桐原佳介
日本におけるコシジロイソヒヨドリの写真を伴う3例目の記録で雌の初記録となる観察：平岡考・永井真理子・永井次郎

【観察会報告】
日本野鳥の会秋田県支部による冬季におけるカモ科調査（1993年–2022年）の結果について：佐々木均・佐藤公生・加藤正敏

【書評】
『人類を熱狂させた鳥たち　食欲・収拾欲・探求欲の1万2000年』：三上かつら

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今号も興味深い内容です。

クマタカに関する論文が２つ出稿されています。１つは「木曽谷のクマタカ―23年間の観察」、もう１つが「東京都におけるクマタカの繁殖成功率」とクマタカを撮影するカメラマンは多いと思いますが、この機会に論文に目を通してみると、クマタカの生態や行動について得られることが多くあり、撮影や観察に生かせることがあるかもしれません。

コシジロイソヒヨドリ成鳥雌の記録も気になる方が多いのではないでしょうか。日本鳥類目録の第7版までは、自然分布への疑問から「検討中の種・亜種」とされていましたが、記録された時期や環境からも自然渡来の可能性が指摘されていて、次の版での扱いがどうなるか、気になるところです。

外見での識別が困難なことから、メボソムシクイ上種と扱われることの多いコムシクイやオオムシクイの論文も大変気になる内容です。「九州地方におけるコムシクイのの渡り時期」と「徳島県におけるオオムシクイの秋期の渡り」の論文は、識別の手掛かりとなる資料も含まれていて、これからのムシクイの渡りシーズンに備えて目を通しておきたい内容です。

他にも読みごたえがある内容ですので、ぜひご一読くださいね！

Strix（ストリクス）　VOL.39　3,300円（税込）

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