サイトロン防振双眼鏡使用レポート(By ロッキー松村)
2021 年に乗った小笠原航路で航路探鳥デビュー、2022 年に大洗苫小牧航路で2回目の航路探鳥を経験しました。
航路探鳥記については過去のホビーズワールドブログ記事をご覧ください。
ロッキー松村の <小笠原探鳥旅行記 ①>
http://hobbysworld.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-3371fe.html
海鳥北上期の大洗苫小牧航路探鳥ツアー(往路探鳥編)
http://hobbysworld.cocolog-nifty.com/blog/2022/07/post-1013fa.html
当時はまだ普段のバードウォッチングで使っている コーワ SVⅡ50-12 12×50
https://www.hobbysworld.com/item/10330324/
最初は、対物レンズが 50mm口径の12倍の双眼鏡で海鳥を観察していました。
普通の双眼鏡でも、とりあえずは見ることが出来ます。
ところが、航路観察ツアー参加中に防振双眼鏡をお借りしてのぞく機会があり、その違いに愕然としました。
揺れながら見ているはずなのに、視野にとらえた鳥は全く揺れることなく羽模様まで見えたのでした。
海鳥はどれもこれも似たような色と形で、翼上面と下面の模様の違いなどを見ることが識別には欠かせません。
普通の双眼鏡では、船も身体も揺れて手振れもしながら海鳥たちを見るのですが、揺れる視界の中にとらえた海鳥を識別できるまでに観察するには慣れとコツが必要でした。
2回の航路探鳥を経験して航路探鳥の面白さにすっかりはまっていましたので、3回目の航路探鳥に備えて、憧れの防振双眼鏡を手に入れようと考えていました。
航路探鳥ツアーでお借りしたのは、フジノン防振双眼鏡でした。
https://www.hobbysworld.com/item/12930301/
防振性能はピカイチで、大揺れのクルーザーからもピタリと止めて海鳥を視界にとらえ続け、追うことが出来ました。
その性能に驚きほしくもなるのですが、自分の体力を考えた時に1.3kg の大きな双眼鏡を構え続けることは難しいなと諦めていました。
ところで、防振双眼鏡って何なの? とお思いになられると思います。
バードウォッチングで双眼鏡をのぞくと、どうしても手振れして視野が揺れ、鳥を静止した状態ではっきりととらえるのはなかなか難しいと思います。
風が強かったりしたら身体も揺れるので、よけいですよね。
ましてや海面に浮かぶ船の上では、じっとしていることは不可能ですよね。
デジタルカメラに手振れ補正がついて、手振れの無い写真が簡単に撮れる様になりました。
双眼鏡の内部プリズムに2軸のジンバルがついて、双眼鏡の揺れを検知してそれを打ち消す方向にプリズムを動かして静止した像が見られるように工夫されています。
風が強い干潟での観察や航路観察など揺れる中での観察には、防振双眼鏡は必須だと思います。
そして、信ずるものは救われるじゃないですが、待ち望んでいた軽量、完全防水の高倍率大口径防振双眼鏡が発売されたのでした。
SIGHTRON(サイトロン)、元はライフルスコープなどを作っていたアメリカのメーカーです。
双眼鏡は現在、主に日本工場で作られ、完全自社開発、設計、製造を一貫して行っている信頼できるメーカーです。
安心の日本製ということもあり、選んで購入した双眼鏡は SIGHTRON(サイトロン)SⅡBL1642STABILIZER 16 倍の防水タイプの防振双眼鏡です。
https://www.hobbysworld.com/item/10630302/
航路観察で見る海鳥は、デッキから見下ろす海面から、遠くは水平線近くを飛んでいるところを観察することになります。
遠くの海鳥を見ることが多いので高倍率の双眼鏡がおすすめなのですが、高倍率になればなるほど視野が狭くなります。
海鳥を視野に入れるまでに、慣れが必要かもしれません。
自分は普段から12倍を使って小鳥も観察しているので、16倍でも特に問題はなく観察することが出来ました。
少し不安な方には同じモデルの 12 倍タイプがありますので、こちらをおすすめします。
https://www.hobbysworld.com/item/10630301/
で、肝心の実際の使用感ですが、4月 7日(金)、8日(土)に八丈航路橘丸に乗り、お仲間をお誘いして3月から盛り上がっていたオキノタユウ(アホウドリ)を見る航路観察会を行いました。
双眼鏡を構えて水平線を望みスイッチを入れた瞬間、それまで揺れて見えていた景色がピタリと止まりました。
そしてその中を、ソアリングするオオミズナギドリを見ることが出来ました。
波間を黒と白に翼上面と下面を見せながら飛ぶ姿は本当に美しいです。
美しい姿をブレることなく観察出来て感動しました。
そして見続けるうちに、ゆったりとひと際大きなオキノタユウ(アホウドリ)が現れ、それが成鳥と分かった時に防振双眼鏡の実力を思い知ったわけです。
防振機能があればこそブレずに観察することが出来ますので、羽衣がはっきりと分かりました。
オキノタユウ(アホウドリ)は成鳥羽になるまでに8年以上の年月を必要とし、なかには13年たってもまだ少し黒褐色味を残すメスもいると長谷川博先生は書かれています。
海鳥は長生きな鳥が多いので、羽衣の変化は年齢ごとに違いがあります。
羽衣の変化をしっかりと観察し、年齢を当てるのも海鳥観察の醍醐味だと思います。
航路観察を楽しむなら防振機能付きサイトロンの双眼鏡は大きさも手ごろで、重さも約600gと軽いのでおすすめします。
航路観察では潮をかぶることが多いので、丸洗いできる完全防水は必須条件だと思います。
防振機能を動かすための電源は単3電池1本、カタログデータによれば30時間起動、1本の電池で往復の航路観察で電池切れになることはありませんでした。
航路観察の沼にはまってみませんか?
沼を生き延びるには、防振双眼鏡は必須の装備だと思います。
SIGHTRON SⅡBL 1242/1642 STABILIZER をおすすめします。
そうそう、双眼鏡ストラップはもちろん RICK YOUNG OUTDOORS ウルトラライトハーネスですね。
https://www.hobbysworld.com/item/61213105/
ロッキー松村
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(ホビーズワールドより追記)
ロッキーさんがお話しの通り、航路での海鳥観察に防振双眼鏡は欠かせないと言っていいほど便利です。
最近はコンパクトな30mm口径の防振機も登場し、航路以外の普段使いもできるアイテムが増えてきています。
https://www.hobbysworld.com/search/%25E9%2598%25B2%25E6%258C%25AF/
重くてスコープが持てない、もう少し細かいところまで見たいという方にもピッタリのモデルがあると思いますので、どうぞご相談くださいね。
陸上でも風の強い日の観察、タカの渡り観察、干潟のシギチ観察、移動中の電車やバスなどの車窓からの観察にも便利な防振双眼鏡を、皆さんも体験してみてください。
もちろん、ホビーズの店頭でお試しいただけますよ!
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