よっしーの「2019年 千島列島クルーズレポート ⑤」
さあ、千島列島クルーズレポートも、いよいよ佳境となってきましたよ。
お待ちかね、100万羽を超えるエトロフウミスズメの帰島とシラヒゲウミスズメが観察されるヤンキチャ島編のスタートです!
ひとつ前のお話はコチラ
⇒よっしーの「2019年 千島列島クルーズレポート ④」
では、一大スペクタル・エトロフウミスズメの帰島を紹介しましょう。
まずは島の概要から...
皆さんがヤンキチャ島という名前の島を地図で探しても、もしかしたら、見つからないかもしれません。
そんな時には、ウシシル島を探してみて下さい。
実はウシシル島、北側のリポンキチャ島と南側のヤンキチャ島の2島で構成されているのです。
つまり、ウシシル島・南東のヤンキチャ島となるわけです。
2つの島の形を見ると、リポンキチャ島はごく普通の島のようですが、ヤンキチャ島は複雑な地形をしていますね。
ここに秘密がありそうです。
ヤンキチャ島を空中写真でみると、島の中心にクレーター湾があります。
この湾の西側と北側は小高い斜面に、東~南東側は、なだらかな低い斜面に囲まれています。
そして湾の南側に波打つ白い線が見えますが、ここが浅瀬になっており、ボートはここから出入りします。
つまり島の中心のクレーター湾は、外の波や風の影響を受けにくい穏やかな湾なのです。
エトロフウミスズメは湾に面した斜面で、おびただしい数が営巣しています。
そしてシラヒゲウミスズメは、湾の中にある島の低い斜面を中心とした環境で繁殖しています。
前置きが長くなりましたので、さっそく湾内に入ってみましょう。
湾に入るとすぐ右手に、なんとマッコウクジラが打ち上げられていました。
ボートから観察していますが、波もなく穏やかでしょ!
さらに奥に進むと、気の早い個体群が水浴びしています。
こうした個体群は、そのままねぐらに行くのかと思うと、再び湾外に出て行ったりします。
どうも、このあたりの行動の意味がよくわかりません。
薄暗くなると戻ってくる個体が一気に増え、湾内は賑やかになってきます。
そして、まるで生きもののように、左右にうねりながら飛翔してくるようになります。
だれもが、「まるで竜のよう..」と感じたはずです。
さて、いったいどのくらい帰ってくるのかと数えてみたら、わずか数分で10万羽をカウントできました。
今度は湾の入り口に背を向け、湾の奥を覗いてみると、戻ってきた個体群が渦を巻き上昇しはじめました。
こうした状況になると、エトロフウミスズメの羽音と声で、湾内の興奮はピークに達します。
上昇する個体は斜面に吸い込まれていくようで、いつの間にか見えなくなっていきます。
すでに肉眼での観察も困難な状況ですが、視線を落として水際を見ると、低い位置で休んでいる個体もいました。
あっ、シラヒゲウミスズメも発見!!
こちらは、次回にゆっくりと紹介します。
それにしても、肉眼でもよく見えない状況なのに、最近のカメラはすごいですね。
最後の2枚は、ISO12800です。
8/25に予定している野鳥撮影講座 「スーパーショットの撮り方」ですが、すでにたくさんのお申し込みを頂いています。
最近のカメラの進化に合わせた最新の情報をお届けしますので、どうぞご期待くださいね!
⇒よっしーの「2019年 千島列島クルーズレポート ⑥」 へつづく
最初から読みたい方は⇒よっしーの「2019年 千島列島クルーズレポート ①」 へ
« LensCoat社製「Sony FE 200-600 G OSS 用 レンズカバー」 価格改定と入荷予定のご案内 | トップページ | 東郷なりさ(Ting)さんの作品展が兵庫県で開催されます! »
「探鳥記」カテゴリの記事
- 今年も、伊良湖へタカの渡り観察に行ってきました!(その2)(2024.10.14)
- 今年も伊良湖へ、タカの渡り観察に行ってきました!(その1)(2024.10.13)
- 霞ヶ浦に野鳥観察に行ってきました!(2024.08.07)
- この秋はぜひ、タカの渡り観察へ...(2024.07.22)
- 数年ぶりの海外・オーストラリアに行ってきました! その弐(海鳥編)(2024.07.18)
最近のコメント