新型国産照準器キングフィッシャーでカワセミの飛翔を撮る! (2/2)
7月1日に発売となった新型の国産照準器Kingfisher(キングフィッシャー)は、発売前から試用した結果、魅力的すぎてプロバー(初代)ユーザーの私自身が購入するにいたりました
前半では、プロバーとの比較、キングフィッシャーの魅力と使い方のコツなどをレビューしましたが、今回は実写編です。
ポイントを探しながらウロウロしていると、二番子か三番子の子育て中のようで、魚をくわえて川から離れた場所に魚を運んでいる親鳥の姿を見つけました。今年巣立った幼鳥も二羽木陰で涼んでいます。
使用機材は、レンズがニコンの300mm(AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR)に×1.4テレコン(TC-14EIII)を付けて、カメラはD7500のDXフォーマットのデジタル一眼レフカメラを使用しています。焦点距離は、35mm換算で300mm×1.4(テレコン)×1.5(DXフォーマット)=630mmになります。
撮影環境、鳥の種類、個体の愛想の好さによっても変わるので一概には言えませんが、カワセミの飛翔撮影は機動力がものを言います。あまり望遠を欲張らずに、軽いレンズで挑んだ方がチャンスは大幅に増えます。
もちろん600mmF4クラスのレンズで、一発ホームラン狙いもアリだとは思いますが
◼️カワセミ撮影 準備編 照準器使いの肝は光軸合わせにあり
照準器を使う上で重要なのが、狙っている撮影距離で光軸を合わせることです。状況にもよりますが、今回は20メートル程の距離にある目標物に合わせて調整しました。
その場合、合わせた距離よりも手前の10メートルの距離にカワセミがやってきてしまうと、照準器のドットに合わせても、カメラのファインダーにはドットよりも下側が表示されてしまいます。
逆に30メートルや50メートルといった光軸調整位置より離れたところを狙うと、カメラのファインダーにはドットよりも上側が表示される点に注意が必要です。
この距離によるズレ幅は構造上無くすことができないので、事前に狙う場所を決めてその距離で光軸を合わせておくことと、いくつか止まりそうなポイントを狙って、どの程度ズレがあるか把握しておくようにしましょう。
照準器マスターになると、光軸を合わせた距離とは違う距離に鳥が来てしまっても、ドット位置をズレ幅分ズラして大まかな位置に導入できるようになります。
◼️三脚を使わずに光軸を合わせる方法
基本的に照準器の光軸を合わせる際は、三脚を使用する必要がありますが、手持ちで撮影する場合は、三脚自体持ってこないことがほとんどだと思います。
そんな時は、上の画像のように橋の欄干やベンチ、堤防といった安定したものの上にカメラを置いてライブビューモードにしながら光軸を合わせることも可能です。
私は山で手持ちで撮影することが多いので、普段から三脚なしで光軸を合わせることが多いです。
◼️実写編
それほど動きが良くない中でもキングフィッシャーのお陰で少ないチャンスをそれなりにモノにできました。
カワセミの飛翔姿を狙いましたが、キングフィッシャーの広い視野で難なくとまでは言わないまでも、スムーズに導入できました。
キングフィッシャーのドットは「・」なので、被写体を邪魔しません。
また、周囲の環境光に合わせてキングフィッシャーのドットの光量も調整できるので、適切な明るさのドットで撮影できるのも魅力です。
朝方まだ暗い時間の撮影。SS1/1000以下だと途端に歩留まりが悪くなります。
巣立ち雛のもとへ魚を運ぶ♂親。
撮影機材やシチュエーションにもよりますが、カワセミ飛翔撮影ではSS1/2000以上は欲しいところです。
午前中薄曇りの時に撮影したので、シャッタースピードは稼げませんでしたが、色は好い感じに出てくれました。背景がコロコロ変わる場面では、後述しますが、絞り優先Aモードよりは、マニュアルモードで撮影した方が結果が安定します。
ツバメの幼鳥が度々やってきてはトビモノ撮影の練習台になってくれました。
こちらは成鳥。キングフィッシャーの広い視野でツバメの飛翔撮影も快適です。
◼️トビモノ撮影のカメラ設定について
キングフィッシャーのレビューとは少し逸れますが、トビモノ撮影時のカメラ設定についてご紹介します。
重要なポイントは、2つあります。
1つはシャッタースピードで、私のシステム(ニコン D7500+AF-S300mmF4E+TC1.4III)では、1/2000以上に設定した方が結果が良かったです。
多少ISO感度を上げてでもシャッタースピードを上げた方が結果は良い場合が多いです。
2つ目は、露出モードです。
人によっても設定が違うので一概に言えませんが、私の場合は、マニュアルモードにして、周辺にあるカワセミの明るさに近いもの(今回は対岸のヨシ原の明るい部分)に露出を合わせるとカワセミが白トビ(露出オーバーにならず)せずに済みます。
注意点としては、時間帯や急に曇ったりすると露出も変わるので、その都度露出を変える必要がある点です。
時々試し撮りをして露出をチェックしながら撮影してみてください。
AFエリアについては、中央1点が最もピント精度が高くなりますが、カワセミの飛翔を小さなAFフレームに捉えるのは困難なので、追える範囲で狭いAFエリアにすると良いでしょう。
私は、トビモノ撮影の場合は、領域拡大AF、ゾーンAF、グループエリアAF辺りに設定することが多いです。
止まっている鳥の場合は、シングルスポットAF、スポット1点AFに変更します。
SS1/800 F5.6 ISO800
よくじっとしていると、カワセミが自分に気付かず、うっかり目の前の枝に止まることがあります。
大抵カメラを構える動きで逃げられてしまうのですが、そんな一瞬のチャンスをキングフィッシャーは逃しません!
迅速にファインダーに導入して、モノにすることができました。
照準器は、トビモノだけでなく、止まっている鳥に対しても効果絶大です
■とっておきの機能!?
じつは初めてキングフィッシャーの試作機を持って近くの山に撮影に行った時のこと。事前情報も何もなく、今まで記録もないような場所でアカショウビンに出会えちゃいました!
もしかしたら、鳥運が上がる効果があったりして(主にカワセミの仲間)…
※効果を保証するものではありませんので、悪しからず。
・国産照準器 Kingfisher(キングフィッシャー)の詳細はこちら
・キングフィッシャーの別売オプションパーツはこちら(近日公開予定)
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