コーワ新型スコープ発売!選択肢がうんと増えたスコープ選び!あなたならどれを選ぶ?
色の滲みを低減させる“XDレンズ”搭載のTSN-664M・TSN-774と、さらにそれの上を行く“フローライトクリスタル”を奢ったTSN-553/554の登場で、一生モノとも言えるスコープ選びがますます悩ましくなりましたね。
フィールドではなく、店内での比較となってしまいますが、「どのスコープが自分には向いているのか?」を見極めるお役に立てるようご案内して行きたいと思っています。
コストや見え味でライバルとなるであろう3機種
写真左奥から「TSN-774+TE-11WZ」、「TSN-664M+TE-9Z」、「TSN-554/553※写真は554」を比較してみましょう。
~大きさ・重さ・価格比較~
上から「TSN-774+TE-11WZ」、「TSN-664M+TE-9Z」、「TSN-554」
比較してみると一番手前にいるのにTSN-550シリーズの短さが際立っています
スペックを見てみると...
・TSN-553(傾斜型)/554(直視型) 重さ810g/800g 全長271mm/288mm ¥172,800(税抜)/¥164,800(税抜)
・TSN-664M+TE-9Z 重さ約1,262g 全長約390mm ¥97,600(税抜)
・TSN-774+TE-11WZ 重さ約1,712g 全長約390mm ¥184,000(税抜)
軽さコンパクトさではTSN-500シリーズが大きくリード!TSN-774+TE-11WZから倍以上も軽い!です。TSN-664M+TE-9Zは66mmという口径を考慮すると健闘しています。
コスト面では、10万円を切るTSN-664M+TE-9Zのコストパフォーマンスの高さが際立ちますTSN-774+TE-11WZとTSN-550の価格差は2万円程、見え味でどの程度差が出るのか気になりますよね。
~口径差は?~
TSN-550シリーズは口径55mm。TSN-660Mシリーズは66mm、TSN-770シリーズは77mmです。
単純に口径が大きくなると明るくなるのは道理ですが、明るい日中では差が分からないもの。デジタルカメラ(iPhone7)ならどう判別するのか店頭で試しました。なるべく同じ条件になるように撮影しています。データは下に記します。
Exif情報
TSN-553+iPhone7
レンズF値 :F1.8
露出時間:1/317秒
TSN-664M+iPhone7
レンズF値 :F1.8
露出時間:1/363秒
TSN-774+iPhone7
レンズF値 :F1.8
露出時間:1/424秒
口径が大きいほどシャッタースピードが速い!
目で見ては判断がつかないものですが違いが出ました。想像通りかそれ以上の結果でした。
実際に見比べてみると...
実際に店内から覗き比べた限りでは、昼間だということもあるとは思いますが、口径が大きければ大きい分明らかに明るい!と分かるほどの違いは感じられませんでした。
当然じっくり見比べれば口径の大きなTSN-774が一段明るいですが、口径が一番小さなTSN-554だからといって暗く感じることはありませんでした。ワイド側が15倍に低く抑えられていることも影響しているのかもしれません。
とはいえ、チュウヒの塒入りを観察したり、夜明け前など暗所での観察が多いならより口径が大きな「TSN-774+TE-11WZ」が有利になるのは確かです。
そして明るさ以上に違いを感じたのは、視野の広さです。
写真左から
「TSN-554」、「TSN-664M+TE-9Z」、「TSN-774+TE-11WZ」
実物を比べるとTE-11WZのひとみ径の広さが際立ってます
実視界を比較してみると、
TSN-554 2.5°(15×)~1.3°(45×)
TSN-664M+TE-9Z 1.9°(20×)~1.0°(60×)
TSN-774+TE-11WZ 2.4°(25×)~1.32°(60×)
実際に覗いてみると、TSN-774+TE-11WZの組み合わせがスペック通りひと回り視野がより広く見えます
TSN-554とTSN-664M+TE-9Zで比較すると、口径差をものともせず、同じ倍率では同等レベル。むしろTSN-554の方がワイド側が15倍と倍率が低い分、より視界が広く感じました
~見え味は?~
TSN-664MそしてTSN-774とアイピースのTE-11WZにはXDレンズが採用され、TSN-554はフローライトクリスタル(蛍石)レンズが採用されていることもあり、このクラスでは3機種とも細かい部分まで実にクリアによく見えます
ただフローライトクリスタル(蛍石)レンズによる恩恵なのか定かではありませんが、白い部分を三機種で見比べてみると、TSN-554が他の二機種と比べてごく僅かに寒色系に見える傾向があり、一番白が白っぽくクリアに感じました。
色収差(色滲み)もXDレンズの二機種とも十分に抑制されていますが、白黒コントラストの高い部分では、フローライトクリスタルレンズのTSN-554は色収差(色滲み)がさらに低減されているように感じます。
~操作性は?~
操作性で注目となるのが、ピントを合わせる「フォーカスノブ」の違いでしょう。
TSN-774とTSN-554には、デュアルフォーカスが採用されています。約2回転で全域フォーカス可能なクイックフォーカスと細かいピント調整できるファインフォーカスの2つのピント調節ノブが並んでいるので、ピント調整は実に快適です。
~あなたならどのスコープをえらぶ?~
ズバリ、シチュエーションや使い方によって異なります。
三脚などの脚回りも「マンフロット befree live(写真中)」や「ベルボン UT-55(写真下)」など軽量コンパクトタイプで済ませられる点も大きな魅力です。
TSN-664M+TE-9Zは、コストをできるだけ抑えたい、60倍の倍率も確保したいという場合に最適な組み合わせとなりそうです。
« 小さい耳にはわけがある!けど、大きな角には意味がない?「Zooっとたのしー!動物園」発売! | トップページ | 8月号のBIRDERは誌上初!インコ・オウム特集! »
「Hobby'sスタッフレポート」カテゴリの記事
- ロッキー松村の観察&撮影教室 3月10日 国立科学博物館付属自然教育園観察 実施レポート(2024.03.17)
- 野鳥界隈からCP+(シーピープラス)2024を振り返って(2024.02.26)
- 11/18開催の「OMシステム コラボイベント」のNote記事が公開されました(2023.12.13)
- 中村利和さんの写真集「鳥の肖像」サイン入りで限定入荷しました!(2023.11.25)
- ロッキー松村 葛西臨海公園観察&撮影教室 下見レポート(2023.09.11)
最近のコメント