オリンパス EM-1markIIの野鳥撮影に使える設定をさぐれ!その1
バードトレッキング用にと話題のミラーレス一眼オリンパス EM-1markIIとサンヨン(M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO)の軽量システムに乗り換えた岩本です。
巷のEM-1markIIの評価が高過ぎてとりあえずカメラ向けて撮れば何でも良く撮れるのでは?と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません
カメラ設定は被写体に合わせてよくチューンナップしてやる必要がありますし、野鳥の飛翔撮影(以降トビモノ)も、止まっている鳥の撮影(以降トマリモノ)も、どちらも撮りたいなら瞬時に切り替えられるようにネタ仕込みをしておく必要があります。
今回はそのネタ仕込みにあたるカメラ設定についてご紹介します。EM-1markIIはとくにこのカメラ設定をよく考えて設定しないと、「全然野鳥撮影に使えない(#`Д´)」となりかねません(私も手にして数日はそんな感じでした)。
EM-5markIIユーザーの知り合いの方からもアイディアをいただきながら、ようやく野鳥撮影に太刀打ちできる設定が見えてきましたのでご紹介します。
■親指AF設定
親指AFとは、野鳥撮影には定番の設定で、シャッターボタンを半押ししてもAFスタートさせず、親指位置のボタンを押す間のみAFを作動させる方法です。
せっかくマニュアルフォーカスでピントを合わせても、シャッターボタンを半押しした瞬間にAFが作動してせっかく合わせたピント位置が変わってしまうのを防ぐ意味があります。
ニコンやキヤノンのミドル機以上では常識とも言える設定です。
EM-1markIIの場合は、AFスタートさせるボタンは、AEL/AFLボタンに担当させるとちょうど良いでしょう。キヤノンのEOS 7D2を使い慣れた身としては、7D2のAF-ONボタンと比べると位置もボタンの感触も今一つですが、EM-5markIIのと比べれば快適に進化したと言えます。
設定の仕方は、
「MENU」→「設定」→「A1」→「AEL/AFLモード」
で、以下のように設定します。
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S-AF:mode3 半押しで露出固定、AEL/AFLボタンを押すとS-AF作動
C-AF:mode3 半押しで露出固定、AEL/AFLボタンを押している間C-AF作動
or mode4 全押しで露出固定、AEL/AFLボタンを押している間C-AF作動
MF:mode3 半押しで露出固定、AEL/AFLボタンを押している間S-AF作動
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そして忘れずAEL/AFLボタンの設定も要チェック!
「OK」→LVスーパーコンパネ画面の中から右下の「ボタン機能」を選択して「OK」→「AEL/AFLボタン機能」→AEL/AFL
これをしないと、いくら上で設定してても機能しません。
■オススメのAF設定
シチュエーションによっても変わってきますが、おもに止まっている野鳥を狙うトマリモノ設定と飛んでいる野鳥を狙うトビモノ設定に分かれます。
[トマリモノ設定]
AFターゲット選択は多点にするとピントを合わせたい鳥の目の部分になかなかピントが合わずにイライラさせられるので、シングルターゲットにします。
AFは手前の枝にピントを取られた時にすぐにMFでリカバーできるよう「S-AF+MF」か「MF」にして、上記の親指AF設定でAEL/AFLボタンを押した時にS-AFが作動するようにすると良いでしょう。
[トビモノ設定]
野鳥の飛翔を狙う場合は、AFターゲット選択は多点(被写体によって選択。下記参照)、AFモードはC-AFに設定するのが良いでしょう。
C-AF+TRという一見野鳥撮影向きなモードもあるのですが、何度か使ってみたものの対象が大きく決まった動きをする乗り物系には問題なさそうですが、野鳥のように小さくファインダーから度々フレームアウトする被写体の場合は、カメラがどれを追って良いか分からず、意図しない方向にターゲットが離脱してしまうことが多かったです。
AFターゲット選択は、121点オールクロス像面位相差センサーを活かしてオールターゲットを選択したくなりますが、障害物のない空抜けなら問題ないものの、林道を歩いていて突然現れるクマタカの飛翔のような場合だと手前の枝にピントを取られて悔しい思いをすることになります。
ということで、状況に応じて障害物がない空抜けなら121点オールターゲット、大抵のトビモノは9点グループターゲット、追いやすい鳥なら5点グループターゲットと状況に応じて的を絞った方が良いでしょう。
C-AFの場合は、5段階でC-AF追従感度設定をすることができます。私は-2の粘るに設定していますが、これでも手前を枝などの障害物が横切るとそちらにピントを取られてしまうので、障害物が手前を横切る場合は、親指AF設定のAEL/AFLボタンを離して障害物を回避して下さい。
7D2の時でもそうでしたが、AFボタンを押しっぱなしで被写体を追うと、ターゲット内に被写体が収まっているにも関わらずなかなかピントが合焦してくれず、すべてのカットがピンボケということが割とあります。最近はC-AF追従感度を+2の俊敏にしてAFボタン連打を試していますが、たしかにAFの喰い付きは良くなります。未だ模索中といったところです。
⇒次回はFnレバー設定/ホームポジションについてご紹介します。
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