バードトレッキング!その3 丹沢山でジュウイチに会えるかな?
伊勢原に住み始めて一年が過ぎた岩本です。諸般の事情でめっきり遠征に行けないことから、地元のフィールドを開拓しようと丹沢界隈を徘徊しています。
今回は丹沢の中の丹沢、丹沢山系唯一の百名山としても知られている"丹沢山"をご紹介します。※正確には塔ノ岳、蛭ヶ岳も含めてのようですが。
塔ノ岳から尾根沿いに丹沢山へ歩く途中には、コルリに出会えたり、一度に4羽ものジュウイチに囲まれたり、丹沢山から堂平に下るとツツドリが二羽で鳴き合い、嬉しい出会いがありました。もちろん、カメラマンもバーダーも滅多にいない独り占めのバードトレッキングでした。そして今回も三度もこのエリアをトレッキングしてしまったのでした。
小田急線の渋沢駅から6:48発の大倉行きの神奈中バス(時刻表)に乗車します。
15分ほどで大倉着、トイレを済ませて出発します。今回は塔ノ岳(大倉尾根)の標識に従って右折します。
塔ノ岳へのアクセスは、大倉から塔ノ岳を目指す、通称バカ尾根と呼ばれる大倉尾根ルートか、大倉から戸川公園の風の架け橋を渡って戸川林道から天神尾根経由で塔ノ岳を目指すルートがありますが、戸川ルートは道がかなり荒廃して登りづらいので、大倉尾根ルートをオススメします。
はじめのうちは、ヤブサメやキビタキ、アオゲラなどの鳴き声が聞かれます。ところどころ石がゴロゴロとした歩きにくい道を登っていくと、登山道の脇でミソサザイが応援するように目の前で美声を披露してくれるかもしれません。
標高が高くなるにつれて、イカルやカケスが現れるようになり、両側の急斜面を注意していると、ヤマドリが慌てて谷底へ飛び出して行くこともあるかもしれません。
花立山荘まで登ってくると視界が開けます。ホオジロ、ウグイス、ビンズイがさえずり、視界が開けているので、ホトトギスが鳴きながら飛ぶ姿も見られるかもしれません。この付近ジュウイチもよく鳴きますが、姿が見られたらとてもラッキーです。
金冷しを過ぎてキツイ階段地獄を登ったら、ようやく塔ノ岳の山頂に到着です。
塔ノ岳からは尊仏山荘の裏手の道を下って丹沢山へ向かいます。
木の階段を下る途中、コルリのさえずりが聞こえたら、そっと鳴き声の方を探してみてください。瑠璃色の背中が見えたらとても幸せな気分になれます。
丹沢山までの尾根道は終始明るく視界が開けていて、ヒバリによく似たビンズイのさえずりが頻繁に聞かれ、枯れ枝から飛び立ってディスプレイフライトをする姿が見られます。針葉樹の木の上からはルリビタキのさえずりが聞こえ、周囲の笹やぶからは、ウグイスのさえずりが聞こえてきます。
途中に1箇所アドベンチャーな木製階段があり、怖々進みました。
日高の辺りでは、ガビチョウとよく似たさえずりが聞こえるかもしれません、声の主はソウシチョウです。外来種なので嫌われ者ですが、なかなかかわいい配色です。
日高を過ぎ、木道が二手に分かれる辺りは、ジュウイチづいていて、この時はなんと同時に4羽ものさえずりが聞こえてきました。やはり御姿を拝むのは至難の技で、ようやく葉隠れのジュウイチの撮影に成功しました。
この写真を撮った時も間近でジュウイチがさえずり続けていましたが、姿が見えず…
何度かアップダウンを繰り返すと程なく丹沢山に到着します。
丹沢山は特別展望がきくわけでもありませんが、ヒガラやコガラ、そしてこんな高い山にもシジュウカラがいます。
山に登らないと見ることのできない鳥との出会いはもちろん嬉しいですが、普段平地で見られるシジュウカラなどとの出会いも感慨深く嬉しいものです。
ここにきてようやく亜高山帯の鳥の定番とも言えるメボソムシクイの鳴き声が聞かれます。
まだ利用したことはありませんが、丹沢山の山頂にはみやま山荘があるので、宿泊して夜の鳥や朝の小鳥のコーラスも期待できるかしれません。
丹沢山からまた元来た道を戻っても良いですが、ブナの美林で知られている堂平に向かっても良いでしょう。宮ヶ瀬方面へ抜けるまでの林道歩きがひたすら長く、丹沢山から宮ヶ瀬までトータル5時間ほど掛かるので、時間に余裕がないと厳しいでしょう。
堂平ではゴジュウカラやコガラが多く、コルリのさえずりもよく聞かれます。ジュウイチやツツドリといったトケン類もよく聞かれ、この時は杉の木立の上でツツドリが二羽で鳴き合う姿も見られました。
背中側では判別つきませんが、鳴いていたのでツツドリです。 6/1
アオバトの鳴き声もよく聞かれますが、姿はなかなか見られません。ここに生息しているアオバトが、大磯まで海水を飲みに行っていると思うと何か不思議な気分になります。
宮ヶ瀬へ下りる途中は、オオルリやヤブサメ、キビタキ、カケス、ミソサザイなどが見られ、中津川沿いの林道では、稀にヤマセミが鳴きながら飛んでいる姿を拝めるかもしれません。
丹沢での鳥見は、ほぼ登山なので簡単には辿り着くことができないばかりか、汗水垂らして登ったのにお目当てに会えないことももちろんあります。かすかな鳴き声やさえずりを頼りに林内を透かし見ながら鳥を探すのはまさにバードウォッチングの醍醐味です。苦労の末にお目当ての鳥が目の前に現れた時には得もいえぬ感動を味わえることでしょう。
夏山は虫の季節でもあります。スコーロンやインセクトシールドなどの「着る防虫グッズ」で虫対策と、とくに堂平から宮ヶ瀬にかけてはヤマビルのメッカと言えます。対策として食卓塩を準備したり、パンツやズボンの裾を靴下の中に入れることをオススメします。あと、山の天気は変わりやすいので、レインコートもお忘れなく!夏山は午前中晴れていても午後には雷雨になることも多いのでご注意を!
あなたも登山×バードウォッチング=バードトレッキングに挑戦してみませんか?山登りが趣味の方はプラス鳥を見る楽しみの1つに加えてみてはいかがですか?
丹沢のガイド本としては「丹沢の自然図鑑(メイツ出版)」が詳しいです。
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