DNAから鳥の種類が断定できる!“DNAバーコーディング”の話題
6月24日、国立科学博物館と山階鳥類研究所の連名で発表された、興味深いプレスリリースをご紹介します
写真提供:(公財)山階鳥類研究所
リュウキュウキビタキ(写真下)は亜種から別種になる可能性も。
そのまま引用しても、ちょっと取っつきづらい内容だと思うので、まずは内容を掻い摘み(&出来るだけ噛み砕き)解説してみます↓
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DNAバーコーディングとは
ある種名のわからない生物が、ででんっと現れた時に、データベース上のすでに知られている種のDNAと照合することで、種を特定する技術のことを言います。ベテランバーダーの“識別眼”に頼ることなく、誰でも簡便に種類がわかるようになるというわけです。
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何の役に立つの?
例えばバードストライクで原形をとどめないほどになってしまった鳥の死骸、食品に混入していた特徴のない小さな羽毛…そこから種を同定しなければいけないとき、比較するデータがあればそれが可能です。現在、鳥類に限らず地球上のありとあらゆる生物のDNA配列の解読・登録作業が、世界中で進められているそうです。
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鳥の分類にも影響があるかも⇒日本固有種が増える可能性も!?
もともとは上記のように「種を識別すること」を目的としたプロジェクトだった訳ですが、いざDNAを解読してみると、同種の鳥の中に、かなりDNAが異なっているグループがあることがわかりました。
例えば、今、日本のフクロウは“フクロウ”という1種ですが、北海道や大陸にいるフクロウと、本州以南のフクロウでは、「これくらいの違いがあれば別種」と定める基準以上の違いがあることが判ったのだそう。
もちろん正式に「別種」にするには、DNAの違いだけではなく、形態、生態、行動なども含めた総合的判断が必要だそうなので、すぐ別種になるわけじゃないそうですが…仮に本州以南のフクロウが「別種」となったら、「日本固有種」ということになります。
プレスリリースには、こうした「隠れた日本固有種候補」(10種もいます!)のリストや、その中の一部の種の標本画像も掲載されています。
分布が離れているグループに差異があるのかと思いきや、飛び石状の場合があったり、外見的な違いがダイレクトに反映されていなかったりするのも面白いですよ。
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